英国のジャズ: 豊かな歴史と将来

Photo: David Dilbert | Unsplash.

ジャズ音楽のイギリスでの歴史は古く、20世紀初頭にまでさかのぼる。1930年代にルイ・アームストロングやデューク・エリントンといったアメリカのジャズミュージシャンが登場したことで、このジャンルが一般化し、ロンドンをはじめとする主要都市にジャズクラブが出現するようになった。

ダウンビート誌によると、「1940年代後半から1960年代前半にかけて、何千人もの男女や子供たちがカリブ海の故郷を離れ、その結果、今日のイギリスが形成されることになった。1948年に制定された英国国籍法により、大英帝国の人々に市民権を与えることができたからだ。ジャマイカのレゲエやダブ、トリニダード・トバゴのカリプソやソカなどのサウンドを持ち込んだ」。

「今日の英国のジャズミュージシャンの多くは、ジャマイカのレゲエやダブ、カリプソ、またトリニダード・トバゴのソカの初期のサウンドをもたらしたウィンドラッシュ世代の子孫である」。

サックス奏者のコートニー・パイン、ピアニストで作曲家のジャンゴ・ベイツ、トランペット奏者のガイ・バーカーなど、多くの影響力のあるジャズアーティストがイギリスから誕生している。その他、ギタリストのジョン・マクラフリン、サックス奏者のエヴァン・パーカー、ピアニストの故ジョン・テイラーなども有名だ。イギリスのジャズシーンは、ロック、フォーク、電子音楽など、他のジャンルからの影響も受け、多様で常に進化するサウンドを生み出していまる。

「イギリスのシーンの持つ開放性は基本的なもので、イギリスのミュージシャンにとって本物のエールと同じくらい重要で自然なことだ 」と、スウェーデンのサックス奏者マッツ・グスタフソンはリーダーズ・ダイジェスト誌で述べている。「イギリスのジャズシーンは、言語や方言が多様で、異なる文化の影響を受けており常に私は魅了されている」。

これはロンドンのロニー・スコッツをはじめとする活気あるクラブや会場でも同じで、世界的に有名なジャズミュージシャンによる演奏が絶えず行われている。その他にも、ロンドンのヴォルテックス、606Club、カフェ・オト、エディンバラのジャズ・バー、マンチェスターのバンド・オン・ザ・ウォールなどが有名だ。これらの会場では、さまざまなスタイルのジャズを紹介し、実績のあるアーティストが出演する一方で、若いミュージシャンに演奏の場を提供している。

現在、英国のジャズシーンは、若い人たちがジャズというジャンルに再び熱中しているおかげで、活気に満ちている。サックス奏者のヌビア・ガルシア、ピアニストのアシュリー・ヘンリー、ドラマーでプロデューサーのモーゼス・ボイド、UKジャズシーンの「第一のパーティースターター」である5人組のエズラ・コレクティブ、アフロビートや西アフリカのリズムに満ちた8人組のココロコといった若いアーティストが近年、台頭してきている。これらのミュージシャンは、伝統的なジャズから現代のR&Bやヒップホップまで、幅広い影響を受け、このジャンルの境界線を刺激的な新しい方向へと押し広げる。サミー・スタインが指摘するように、私たちは今、若者の才能と熱意が生み出す力強いジャズの再生の真っ只中にいるのだ。

このような才能あふれるアーティストの演奏を聴きたいとお考えなら、Oh!Jazzですぐに体験することが可能です。ロンドンのシンボル的存在である606Club からのお勧めライブをどうぞ最前列でご覧ください。カイディ・アキニビ パーディ ジャス・カイザー アレックス・ガーネット ゾーイ・ギルビー。

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